皆さんは感覚的に生活していますか?
ここでいう感覚的とは、
五感を意識する
ことを指しています。
多くの人は、五感を意識した生活ができていないと思います。
五感というと、目・耳・鼻・口・皮膚の5つ思い当たりますよね。
「別に、普段の生活で一日中目を使って見ているし、ご飯も食べるとか口も使っているよ」
「てことは、普通に感覚的に生活しているじゃん!」
確かに、日常生活を送る中で五感自体は使っているとは思います。
ただ、意識は五感に向いているでしょうか?
食事をする時、テレビを観ながら味わうことなく機械的に口へ運んでいませんか?
人の話を聞いている時、別のことを考えていませんか?
意識が向いていないと、五感を意識した生活をしているとは言えないと思います。
ではなぜ、五感を意識した生活ができていないのでしょうか?
感覚的になれない理由
それは大きく3つあると考えています。
まず一つめは、受け取る情報量の増加についてです。
近年情報化社会が広がっていく中で、一人が受け取れる情報量も格段に上がりました。
現代人が1日に受け取る情報量は、江戸時代の1年分だとも言われています。
この大量の情報が脳に流れ込み、それに反応した思考が頭の中を絶え間なく覆い尽くします。
この思考に注意が向けられてしまうため、五感に意識を割くことが難しくなります。
二つめは、マルチタスクです。
マルチタスクとは、2つ以上の事柄を同時に行うことです。(実際は、脳が瞬間的に対象タスクを切り替えているだけのようです)
例えば、食事をしながらスマホを見る、電話をしながらメールを確認する、などです。
このような脳を酷使した状況下では、五感に意識を向ける暇などないでしょう。
三つめは、結果主義です。
仕事やプロスポーツでは、結果が全てです。
なので、結果主義を否定するわけではありません。
ただ、結果に意識を向けすぎると、その過程を楽しむことを忘れてしまいます。
例えば、ゲームをクリアすることは一番の目標ですが、目標に向かって試行錯誤しているプロセスが一番楽しいはずです。
結果だけを求め、そのことばかり意識してしまうと、それに向かって努力している今この瞬間に意識を向けなくなってしまいます。
今この瞬間の出来事でないと、五感に意識を向けることはできません。
「確かに、五感に意識を向けることは日常生活の中でほとんどなかった…」
「でもそれは、現代社会がそうさせているんじゃん!五感に意識を割く暇なんてないよ!」
では、どうすれば、五感に意識を向けた生活ができるのでしょうか?
感覚的になる方法
日常生活で感覚的になる方法として、五感の部位ごとに説明していきます。
一つめは視覚です。
まずは、見たものに対して自分が抱く感情や思考に意識を向けます。
そして、その思考や感情の根底にある、感覚に注意を向けるのです。
例えば、朝出勤をした時、斜め横に座っている上司を見てみます。
上司は何かイライラしている様子です。
それを見たあなたは、「あれ、自分何かやらかしたかな?」という不安の感情が浮かんできます。
もしくは、「今日機嫌悪そうだな。家で何か嫌なことでもあったのかな(ハナホジー」と、無関心な気持ちになるかもしれません。
不安な感情が浮かんできた時は、その不安な感情が自分の身体の中でどのように感じているのかを観察してみます。
どんな感じがしますか?
胸の辺りに何かモヤモヤした感覚がありますか?
それとも、頭が締め付けられる感覚でしょうか?
いずれにせよ、そういった感覚を無視せずに向き合い、自分の中で感じ切ります。
無関心(ハナホジー)な気持ちになった場合でも、その何も浮かんでこない(感情を抱かない)無の感覚を観察してみます。
飽きてすぐに別のことを考え始めるかもしれません。
でも、それでいいのです。
少しでも自分の感覚に向き合うことができれば、自分と対話したことになり、自分と信頼関係を築くことができます。
友達や家族に対して話しかけているのに、無視されたら誰だって嫌ですよね。それが続いたら絶縁関係にもなりかねません。
それは自分との関係でも同じことです。
自分のことを無視し続ければ、sいつか心を閉ざしてしまい自分の感情がわからなくなってしまいます。
日常生活で自分と対話する余裕なんてないという人は、意識してそういう時間を作ってあげるといいと思います。
例えば、美術館で絵画を見ることや、1日の終わりに家で好きなイラストを眺めるでもいいと思います。
その時にただ見るだけじゃなくて、見たことで抱いた感情→体の感覚に意識をフォーカスすることです。
何も浮かんでこないなら、それでもいいのです。とにかく自分と対話する姿勢を持つことが大切なのです。
大事なのは、見たものについて自分が抱いた感覚に注意を向けるということです。
二つめは、聴覚です。
聞こえてくるカフェのBGM、通勤中に聞いている好きなアーティストの音楽…
ただ聞こえてくる、と流してしまうのではなく、自分から積極的に聴く姿勢を持ってみて下さい。
積極的に聴けば、それについて抱く感覚にも気づきやすくなると思います。
積極的に向き合って話を聴いてくれる友人は嬉しいですよね。
あなたも自分に対して、そのようないい友人になることが大切です。
三つめは、嗅覚です。
匂いや香りに意識を向けます。
コーヒーの芳ばしい香りや、アロマのいい匂いを嗅いで、そこから生まれてくる自分の感覚を観察してみましょう。
ゴミやトイレの嫌な臭いでも同様に意識を向けていきます。
おそらく不快な感情や感覚が浮かんでくると思いますが、いい香りと同様に丁寧に自分の感覚を観察し、感じ切ります。
ここで大切なことは、自分にとっていい匂いであろうと、嫌な臭いであろうと、関係なく向き合うことです。
家族や友達と楽しいワクワクした話をしている時はもちろん、イライラして喧嘩している時も、ちゃんと向き合うことが人間関係を築いていく中で大切なことだと思います。
それは、自分に対しても同じことなのです。
楽しい時も、嫌な時も、分け隔てなく自分と向き合うことがとても重要です。
四つめは、味覚です。
美味しいラーメンを食べた時に広がる幸福な気持ちや、家で食べる普段の食事でも、浮かんでくる感覚を探し、味わいます。(食事とそれに伴う感覚の両方を味わって下さい)
味覚で一番気をつけてほしいことは、ただ食べて「美味しい!」と思うだけで終わらせないことです。
例えば、友達や彼氏彼女と食事に行って、相手に合わせてなんでも「美味しい」で済ませてしまうと、
その場は雰囲気を台無しにすることはないとは思いますが、
自分との関係性は台無しになります。
自分には嘘をついているわけですから。
他人に嘘をついてもほとんどバレないと思いますが、自分自身に嘘をつくことはできません。
もちろん、自分に正直になりすぎて「これは不味い」と言葉にしてしまうと、他人との関係が壊れてしまう恐れはあります。(彼氏彼女の手料理なら尚更です…)
ですので、全てに対して正直に感情を表現することは難しいでしょうから、少なくとも心の中では「ちょっとイマイチだったかな」とコメントしておきましょう。
大事なのは、自分の本当の感情・感覚を認識しつつも、どう反応するかはコントロールするということです。
自分の本当の感覚さえ気づけていればオッケーです。
五つめは、触覚です。
仕事で触れているパソコンのキーボードや、人と握手した時に抱く感覚に意識を向けていきます。
仕事で使っているパソコンに触れた時なんて難しいですよね。
ほぼ毎日触っているのに、今更何か新鮮な感覚なんて抱けないと思います。
それでも、
パソコンのキーボードに触れた時に、何か感じることはないか?
と意識して向き合うことが大切なのです。
例えば、家族と毎日会っていれば、特別な感情は抱かなくなると思います。
でも、「自分には一緒に生活できる家族がいて幸せだ、なんてありがたいことなんだろう」と幸福と感謝を味わうことはできます。
パソコンだって同じです。
このパソコンがなければ、仕事はできません。
明日仕事で最初にパソコンを触れる時には、「いつも一緒に頑張ってくれてありがとうね」と感謝を込めて触れてみましょう。
五感については以上ですが、最後に第六感についても触れていきましょう。
第六感とは、理屈では説明しがたい、鋭く本質を掴む心の動きと言われています。
簡単に言うと、直感です。
直感は、静かだけれどはっきりとした感覚が心の奥から生まれてきます。
例えば、明日好きな人に告白しようと考えたとします。
しかし、当日告白するシチュエーションになった時、心の奥から「…今日はやめておいた方がいい」と、静かだけれどはっきりとした感覚として伝わってきます。
また、仕事で後回しにしていた件について、「…今日取り組まないと大変なことになる」と聞こえてきます。
この二つはあくまでも自分の体験談ですが、直感の特徴として、
- 静かだけど、はっきりしている(感情のように激しく大きな声ではない)
- 今この瞬間に対すること(過去や未来についてではない)
であると考えています。
これが全ての人に共通する特徴であるとは考えていないので、みなさんの直感はどんなものかコメントで教えてくれたら嬉しいです。
まとめ
今回は、感覚的に生きることについてお話ししてきました。
感覚的に生きるとは、
五感を意識した生活を送るということ。
感覚的になれない理由として、
- 情報量の増加
- マルチタスク
- 結果主義
を挙げました。
そして、感覚的になる方法は、
五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を積極的に感じ、自分と対話すること
です。
と、説明してきましたが、やはり自分と対話することは、普段の生活の中で意識しないとできないことだと思います。
また、自分と対話しようとしているが、正しくできているのかわからない、といった疑問もあると思います。
なので、次は自分と対話し良好な関係を築く方法について、もっと深くお話ししていきたいと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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